雪雀今昔物語
昭和初期の建物外観  蔵元の猪野家は、初代の猪野嘉次郎が大正四年(1915年)に、やはり酒造を営んでいた本家から分家して当地で始めました。

 創業時の酒銘は、日本昔話に「雀の酒造り」があるのにちなんで『雀正宗』と名付けました。

 その後、昭和六年、当時首相に就任した木堂・犬養毅政友会総裁は、かねて猪野初代蔵元と交流があり、この酒を愛しました。
 そして『雪雀』という銘にするようにとすすめたのです。 『雪雀』の“雪”は昔から豊年の瑞兆とされています。同時に清酒の白々と輝う清らかな様子を“雪”の白さになぞられた言葉でもあります。また、“雀”の字は、もともと『雀正宗』にも使われているように「雀の酒造り」に由来します。雀が竹の切り口に蓄えた米が、自然に発酵して酒になった、という言い伝えにもとづいています。

 ねがってもない酒銘を得て『雪雀』の酒味、酒質はいよいよ深まったのです。
犬養毅との集合写真
大正四年七月廿五日(猪野傅九郎氏宅)
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